もう僕はダメかもしれないが、一過性なんだろうことも知っている

痛みは消えない。

完全な忘却などはありえない。人間の記憶には、バイカル湖のような場所があって、そこに記憶を沈めているだけに過ぎず、それは決して、｢消失｣はしないのだ。
ふとした拍子に意識に浮かび上がってくるのだ。

僕はいくつもそういう体験をしている。

銀杏の香りがしたら、当時付き合ってた子を今でも鮮明に思い出すし、一人、覚えたての煙草をふかしながら眺めた秋の空を思い出す。実にクリアに。

冬がきたら、引きこもり時代の暗黒の絶望と孤独を思い出す。あとは、受験とか…

勿論、悪い記憶ばかりではない。良い記憶も無数にある。

しかし、悪い記憶は消えない。｢おり｣のように、いつまでもへばりついて、また今日も僕を苦しめ、発狂を誘う。コントロールが出来なくなるのだ。

毎日にもうんざりは山積。
疎外感を感じる毎日。

マイノリティは辛いんだから、分かってよ。

ぐちゃぐちゃは消えない。
でも共存できるはず。

彼女に恥ずかしいけど、モヤモヤを全部ぶつけてみた。

年甲斐もなくて、憚れるんだけど、俺は苦しいって。
そしたら彼女はこう言った。

｢ゆうちゃんは、人が楽しく自己中心に生きてきた皆とは違うんだよ。一人で苦しんで、人一倍、人を思ってきたから、あなたは誰よりも優しいんだよ。だからさ、ゆうちゃんは、ゆうちゃんに自信を持たなきゃダメだよ。ゆうちゃんは、ゆうちゃんで良いんだよ。何も間違ってないし、必ずあなたを評価してくれている人はいるし、皆はきっと、ゆうちゃんの純粋さと、稀有な優しさを兼ね備えてるのが、多分、怖いんじゃないかな？｣だって。

涙が出てきた。

俺は俺で良いんだよ。

周りなんか気にして、一喜一憂して、今を不意にしてどうする。

無理するなよ。自分に自信をもって堂々と生きなよ。
ありがとう。

僕は不器用だしバカだけど、頑張って生きるよ。

彼女を大切にして、数少ない親友を大切にして、家族も大切にしたい。

それで良いんだよ。

変な労力を使って磨耗してどうなる？

自分に自信を持って、自分を活かさなきゃ。

俺は悪くない。

悪いのは周りだ。

俺は俺の信念や優しさには自信がある。

人によって態度も変えないし、嘘もなるべくつかない。誠実だとも思う。

自画自賛甚だしいが、多分、誇れる。

それで良いじゃん。

今の自分に自信を持って生きれば、自ずと良い生き方が出来ると根拠のない自信がある。

人間ね、誤魔化さなければ、必ず悪いことにはならないと信じてる。

僕は大切な人を大切にするし、自分をもっと労るよ。
笑わなきゃ。好きなことしなきゃ。

とにかく、ありがとう。